第一章 マンションの管理人

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「この下に一体何が?」 「岸本君、その荷物は置いて行ってほうが良いな。その高そうなリュックも」  荷物は管理人室に預け、ハッチから暗闇へと続く梯子に足をかけた。一体どこに繋がっているのかと不安に駆られた時、明るい火が近づいて来た。 「助かるー! って、火の玉だ!」  驚いて危うく踏み外してしまいそうになった。 「何を騒いでるの? あと数段で着くわよ」 「わっ」  地面に立っているカプリの足元に火の玉が集まっていた。 「もう良いわよ。定位置につきなさい」  火の玉が四方八方に散って、周りの様子が見えた。 「ここ、洞窟?」  壁を触ってみるとゴツゴツとした岩の様な感触だ。 「そう。元々は洞窟だった場所を広げて、私達の住処にしたの」 「……私達って」  薄々感じていた事がはっきりしてしまう。 「あなた達から見たら妖怪ってやつね」 「妖怪?」  誰かに見られている気がして周りを見渡すが、誰もいなかった。 「そんな必死に探さなくても直ぐに会えるわ。とりあえずフロントに行きましょ」  カプリは初めて笑った。
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