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「皆さん、楽しんで貰えてそうですね」
「そうですね。これからもっと、色んなお客さんを呼ぶ事になりますから、色々課題が出来ました」
一つ目小僧がやる気に満ちた目をした。
「苧うにさんとホブゴブリンさんみたいに、共通の特技や趣味があるかもしれないですよね。どうしたら良いかなんて僕も分からないですが、どうにか発展させられたらと」
「苧うにさんみたいに、妖精さん達も技術や作品を発表する場が欲しいなんてあるかもしれないですよね。それに、作品を通して交流が深まったり、作品作りのアドバイスが互いに出来たりなんて……しないですかね?」
何の気無しに思いつきを言うと、案外良いアイディアな気がした。
「それ、いけるかもしれませんね。ほら、人間の世界でそういうの何て言うんでしたか」
「えーと」
出会い系サイトやマッチングアプリが頭をよぎった。
「まあ、ネーミングは何でも良いです。ここでいう〈宝〉は妖怪さん達自身だと誇れる様なダンジョンにしたいですね」
一つ目小僧はずっと先の未来を見ているのかもしれない。僕もそれを実現させる為に出来る事をしたい。
「良いですね、ダンジョンの宝は妖怪達って」
猩々が酒呑童子と酒を酌み交わし、ドワーフ達と河童が一緒に椅子取りゲームをしている。
「良い光景です」
一つ目小僧がお地蔵さんの微笑みを浮かべている。
「あ、お昼ご飯食べて下さい。僕もシチュー貰って来ます。食べたら、今日の業務は終了ってとこですね」
腕時計は二時を少し過ぎた頃だった。
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