自然は甘くない

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「…………ッ!」  振り向いた時には、既に遅し。   「ぐあっ!」  距離を空ける前に、緑色をした蛇が腕に噛みついてきたのである。 「この……!」  俺は咄嗟にその蛇を切断。    息の根を止めると、直後、身体に異様なだる気が襲ってきた。 『ポイズンスネーク討伐により、スキル【ポイズンバイト】level1を習得しました。 魔剣グラムペインに毒属性を付与する事が可能』  ポイズンスネーク……?  そうか、だから急に体調が……。 「くそ、これはヤバい……」  毒が回ってきたのか、眩暈と吐き気まで催してきた。    このままじゃ死んでしまうかもしれない。  なんとかしなければ。 『マッシュボアの外皮に付着した苔の接種を推奨。 毒の中和が可能』  お前、アドバイスも出来るのかよ。  なんて万能な剣なんだ……って、言ってる場合か。  こうしてる間にも、毒はどんどん俺の身体を侵していく。  今すぐに行動しなければ命はない。 「グラム……そのマッシュボアっての、どこら辺に居るかわかるか……?」 『………………』  返答がない、まるで屍のようだ。  流石に場所まではわからないか。   「……自分で探すしかないか…………くそ……」  それまでなんとか身体がもってくれば良いんだが。   「あいつか……?」  名称と該当しそうな生き物を探し始めて、およそ三分。    身体が限界を迎える前に、どうにか見つけられたようだ。  キノコが群生している木の根を齧っている豚を発見した。  外皮に付着した苔に、所々から生えているキノコ。  恐らくあいつがマッシュボアだろう。  
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