自然は甘くない

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「あいつっぽいな…………よし、やるか……」  なるべく足音を立てずに、マッシュボアの背後にこっそり近づく。  しかし結局は素人の浅知恵。    パキッ。 「あっ」 「ぶひっ!?」  足元に落ちていた木の枝に気付かず踏み抜いてしまい、 「プキィィィィ!」 「げっ!」  案の定、マッシュボアは殺られまいと突進してきた。   が、思いの外スピードが遅かった為、簡単に避ける事が出来た。  あまり害は無さそうだから苔だけ貰いたい所だが、こちらも時間がない。  可哀想だが、殺して苔をむしるしかないか。 「プキィ……」  …………気絶してる。  突進を止められず、木に激突したのか。  なんというか、よくこれで今まで生き残ってきたな。  ある意味感心する。  おっと、いかんいかん。  感心している暇があったら苔を貰わないと。 「悪いな、少し貰うぞ」  よし、後はこれを食べれば…………これを食べるのか。  あまり口に入れたくないが、仕方ない。 「あむ……うぇ、気持ちわる……」  べちゃべちゃべちゃしてて、苦くて、青臭い。   なんて不味いんだ。  しかし、これも毒を治す為。  我慢して飲み込まないと。
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