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あらすじ
日本を旅たち一年が過ぎていた。長い船旅を終えて禅宗一行はようやくブリテン公国にたどり着く。
ブリテン公国は日本とはかけ離れた文明で構築されていた。船旅の時に船員から言葉と文化をある程度学んではいたがあまりに違う文化にカルチャーショックを受ける三人。
だが苦労してここまで来たのだからと禅宗は師匠である武藤一刀斎を探すためにと先に進み始めた。孔士はいつもの様にぼやき、美琴はそれに噛み付き言い争いをしながら歩いていた。
しばらく歩いていると見たこともない怪物に襲われる。熊以上の巨体であるため長旅の疲労が溜まっていた一行は全力で逃げ出す。必死に逃げている途中に足を踏み外し崖から転落する孔士。
運よく下が川だったので命は助かったが、流れが急だった為長い距離を流されてしまう。それから三日がたっていた。何とか岸にたどり着く事はできたが、何も知らない異国の地で孔士は途方に暮れていた。
「禅!」
必死に呼びかける。
「美琴!」
爽やかな風が吹いて森は静かにたたずんでいた。
「どうしよう~」
グウゥ
腹の虫が世界に鳴り響いた。
「あ~もうダメ」
座り込みうなだれてしまう。
「くんくん」
どこからか美味しそうな匂いがただよってくる。
孔士は藁にもすがる思いで匂いの方へと歩いて行った。
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