0人が本棚に入れています
本棚に追加
1
鬼の顔にはものすごい怒りが刻まれている。
「うおおおおお」
鬼は吠えた。
その声は、体の奥深くに響いた。
重く、念の塊のような叫びだった。
鬼は、ゆっくりと歩いていった。倒れている誰かの方へ。
そして、その誰かの側に行き、思いっきり蹴り上げた。鬼の圧倒的な力により、その誰かは壁に蹴り飛ばされた。
ドオオオン
誰かが壁にぶつかる音と、苦痛の声がした。
辺り一面に、砂煙が舞い上がる。
鬼はまたゆっくりと砂煙の舞う方へと歩いていき、
砂煙の中に見えなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!