幼なじみと青い春③ 〜ないしょのお願い〜

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「にゃー!」 驚きすぎてビョンっと高く跳び上がってしまった。 「うわっ!」 「びっ、びっくりしたー!」 ボクが突然跳び上がったから、美月と圭くんもビクッと肩を揺らす。美月に至っては圭くんにしがみついている。 『ほら、恋愛成就』 神様がクスクス笑った。 そういうことじゃないと思うぞ、神様。 「どうしたのネコさん。なんかあった?」 「俺たちびっくりさせてないぞ」 いや、すまなかった。ボクとしたことが取り乱した。まったく神様が変なこと言うから。 あーもういい。昼寝だ、昼寝。ボクはもう寝る。 「ネコさん落ち着いたみたい」 「よかったな」 美月と圭くんはバイバイと手を振って、楽しそうに帰っていった。仲が良くていいことで。 じとりと神様を見れば、神様は飄々とした様子で『ないしょだけど、学問成就の神に口利きしておいてやったよ』と微笑んだ。 ボクはいつもの場所で丸まる。 ぽかぽかと日差しが暖かい。 春はすぐそこに。 柔らかな風がふわりと吹きぬけた。 【END】
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