幼なじみと青い春③ 〜ないしょのお願い〜

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どうやら心配していたのはボクだけじゃなかったようだ。時間を違えて、圭くんがやってきた。 美月とは違って静かに参拝する。 ふ、と目があった。 「お前、本当にここにいるんだな」 「にゃ」 「俺がここに来たこと、美月にはないしょだからな」 恥ずかしそうに頬を掻く。 「美月は明日面接なんだ。受かるといいなと思って。ま、お前に言ってもわかんないよな」 わからなくはないけど。でもボクにはそれを伝える手段はないわけで、黙って圭くんの話に耳を傾けた。 「あいつ、俺の受験のこと祈りに来てるんだろ? 試験は再来週だから、それまで相手してやってよ」 おおーい、美月。圭くんにバレてるぞ。ないしょなんじゃなかったのか?  圭くんの試験は再来週だけど、きっと美月は結果が出るまでここに通う気がする。だんだん美月のことがわかってきた。 それにしても……自分のことより他人のことを願うとは、美月も圭くんも健気というか微笑ましいというかなんというか。 仕方がないなぁ。 ボクはうーんと伸びをする。 ジャンプして鈴の紐にしがみつき、ガランガランと揺らした。小さな神社に響く乾いた音。柏手は打てないので肉球をペタンと合わせた。 『どうか美月と圭くんの受験が上手くいきますように』 ほら、ボクも一緒に願ってやったぞ。 美月も圭くんも、受験上手くいくといいな。
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