浮気発覚!?

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「それ、間違いなく浮気だよ!」  仕事終わりの更衣室、山田さんの断言にペットボトルのお茶を噴き出した。 「やばいよ桃ちゃん! 浮気してる男の人の特徴だってそれ!」 「そんな……」  あまりのショックに冷や汗がとまらない。  春紀に限って、そんな…… 「コソコソスマホを弄る、急に優しくなる。それって何かやましいことを隠してる証拠だよ」  真顔の山田さんにごくりと固唾を飲み込んだ。 『好きだよ、A子ちゃん』  春紀が他の女性と仲睦まじく抱き合っている姿を想像し、嫉妬でおかしくなりそう。  付き合ってから今まで、一度もそんなことなかったのに。  まさか、私のこと飽きてきた? 「こっそり旦那さんのスマホ見てみれば?」  悪魔の囁きに惑わされる。  勝手に人のスマホを見るなんて。  それに、A子さんとのラブラブなやり取りを万が一にも見てしまったら、一生立ち直れない。 「こういうのは、早めに対処するのが肝心だよ」 「はい……」  山田さんの助言に、肩を落として帰宅した。  代わり映えのない夕方。  春紀の為に夕食を準備して、お風呂を沸かして。  私はこの生活に満足しているけど、春紀は違うんだろうか。  マンネリ化して、刺激が欲しいとか? 「ただいま」  少しして、今日も19時に帰ってきた春紀。  こうして毎日早く帰ってきてくれるから、浮気相手と会う時間なんてないはずなのに。 「おかえり! お風呂沸いてるからどうぞ」  キッチンで鍋を揺らしながら言うと、春紀はジャケットのポケットからスマホを取り出しテーブルに置いた。  ジャケットを脱いでネクタイを緩めながらキッチンに入ってくる。 「……良い匂い」 「今日八宝菜」  何気ない会話をしながら、いつの間にか春紀は私の後ろに佇み、背後からそっと抱き締める。  ……念願のバックハグ。  やっぱり今日も春紀の様子がおかしい。 「……一緒に風呂入ろ」  耳元で囁かれ、ゾクリと鳥肌が立った。  ドキドキして幸福感に満たされるけど、これが何かのカモフラージュなのだと思うと悲しい。 「ま、まだご飯作ってるから! 春紀先入ってきて!」 「……わかった」  どこかシュンと寂しげな顔をして、春紀はお風呂場へと消えていった。  
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