ネズミの話

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病室を出ると、白い廊下が広がっていた。 私がいた病室の他にもずらりと病室への扉が並んでいて、ネームプレートに番号が1つ1つ貼ってあった。ちなみに私の番号は099番だった。私の部屋の隣の100番の病室の扉を開けたら、からっぽのベッドがぽつんと置いてあった。 奥の壁の近くに小さな机があって、相変わらず窓はなかった。 私は鼻歌で第九を歌いながら、廊下を素足でぺたぺたと歩いた。突き当りに階段があった。ここまで来るのに誰とも会わなかった。深夜、それとも早朝なのだろうか。廊下に窓が1つもないので時間が分からない。さて、どうしようか。少し悩んで下への階段を選ぶことにした。 下も病室だった。また、突き当りに階段があり、下った。3回降りる頃には、1階ごとに10の部屋があることに気づく。なるほど、1階に降りるにはあと6回階段を降りねばならないのか。ぐう、とおなかが鳴った。 1階に降りた。001~010の病室があるだけで、他には何もなかった。廊下の突き当りは行き止まりだった。ああ、畜生。上への階段が正解だったか。おなかが空いた。爪を齧る。カルシウムの味がして旨い。
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