コンタクトデッキで会いましょう。

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「あのさあ、この際だから言っとくけど」と少し語気を強める依蕗。「純希って無駄にプライド高いからそういう弱さ?見せてないつもりだろうけど、周り気付いてるからね」  グッと胸に何かが詰まったような感覚。痛い所を突かれた。俺が何も言わないので依蕗は続けた。 「純希がひとりで頑張りたいのはわかるよ。私もそういう性格だから。でも周りが気にしてるのにドンドン進んでっちゃうのは違うと思う。特に南巳君が相手ならさ、素直になりなよ」  なんで元カノにこんなに諭されなくてはいけないんだ。そう思ったが、正論ではある。俺は無駄にプライドが高い故に誰にも頼れず生きてきた。おじいちゃんおばあちゃんにさえ遠慮して修学旅行拒否等していた。でも結局、俺はおじいちゃんとおばあちゃんの保護無しではここまでやってこられなかったのだ。子どもがひとりでできることには限界がある。こうして考えてみれば修学旅行拒否だって俺のわがままでしかなかった。おじいちゃんとおばあちゃんには俺を修学旅行に行かせる程度の財力はあったのだから。
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