テレポーテーションは実在した!? 軽四輪車ホンダ「N-VAN」

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 日が暮れてから返事が来た。「お疲れ様です。本当にくれるんですか!わざわざすみません。ありがとうございます。今度の金曜どこかドライブ行こうと思ってたので、直接受け取りに行っていいですか?」 「まじ?」思わず声が出た。瀬戸さんってドライブ趣味だったりすんのかな。そういえば仕事してる時に瀬戸さんの趣味とか私生活とか、あまり聞いたことがなかった。お互いプライベートなことを積極的に話すタイプでもなかったし。  その日のうちに家の中を掃除した。ここに帰ってきてからほとんど使っていない2階の部屋まで掃除機をかけた。やっとやる気になったのだ。  その晩、夢におじいちゃんが出てきた。グループホームの暖かく広く清潔感のあるロビーで大きな椅子に座っていた。 「純希はまだ役場か」と認知症になってからの彼の口癖を聞いた。俺が公務員になったのがよっぽど嬉しかったのだろう。ことあるごとに「役場か」と訊いてきた。 「辞めたよ、おじいちゃんと暮らすために退職して飯野に来たんだよ」と俺は答えた。夢の中なので俺の思考回路もぐちゃぐちゃになっている。 「なんだやー、父ちゃんと母ちゃん心配してるべ」 「お父さんもお母さんも死んだよ」 「んだべか」 「んだよ」 「ひどいなや、じいじが面倒見てけっから」 「大丈夫だよ」
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