驚愕!ミステリースポット「千貫森」と友好的異星人「U-タン」の導き

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 車で目的地に向かう途中、瀬戸さんは自身のオカルト遍歴を話し始めた。「俺が子どもの頃はアンビリバボーの心霊写真特集とかUSO!?ジャパンとか見てましたねー。箭内さんの世代だともうそんな番組やってなかったでしょ」 「そうですねえ、そもそも俺があまりテレビ見てなかったかも」  こういう話題を出されると改めて瀬戸さんが歳上だということに気付かされる。でも瀬戸さんが言う程世代格差もない年齢差だと思うけど。「俺結構テレビっ子だったからなー」と瀬戸さんが笑った。  退職してしばらく経ったせいか、こうして瀬戸さんとの親密度を上げたせいか、俺はすっかり仕事モードが解除されてしまった。仕事中は気を張っているために自然と出た「私」という一人称も、こうなってしまうともう使わない。対して瀬戸さんは仕事をしている時と今と、様子があまり変わらない。裏表のない人なんだなと思った。ふにゃっとした笑顔を見られたのはラッキーだったな。
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