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正直ウンザリしている。そこから何故か飛躍して俺が不思議ちゃん扱いされたりもするから本当に困る。俺はUFOを見たことはないしムーは読まないしYouTubeでオカルトの解説動画をアップロードしていない。
瀬戸さんは「いいなーここ」と言いながら空を見上げた。桜が散って、花粉シーズンも終わった、梅雨に入るまでの短い穏やかな期間。まあ、確かにこんなUFO観測日和にここまで来ると、良い場所に思えなくもない。
「また来ようかな」
「その時は誘ってください」
「いいんですかー?」へへへ、と瀬戸さんが笑った。そろそろ下りますか、と言い合って下山した。
物産館でTシャツとタオルを買ってUFOふれあい館に入った。「NO UFO NO LIFE」とデカデカと書かれたタオル。まさかこのタオルを購入する日が来るとは。UFOふれあい館は、オカルト雑誌が詰め込まれた本棚が置かれた受付から先が二手に分かれていて、一方は展示スペース、もう一方は入浴施設に続く階段がある。展示を見なくても直接風呂に入ることができるので、地元民は大概そのルートを通る。俺達も地元民に倣って階段を上った。
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