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正直、変な気を起こしそうで自分が怖くなった。いちいち自分の股間を気にしながら体を洗い湯船に入った。瀬戸さんも戸惑っているようで明らかに口数が減った。
マズい。変な空気にしてしまった。何ていうか、あまりにも瀬戸さんの体が意外過ぎたので。いや、瀬戸さんのせいではない。俺がおかしいのだ。ジロジロ見るものでもないのに見てしまうからいけないのだ。これ以上は何もしない方がいい。
「あの、妹がですね」と瀬戸さんが口を開いた。「ひえあ」と変な声が出た。お湯をバシャバシャしながら瀬戸さんの方を向いた。
「あ、すみません。急に話しかけちゃって」
「いえいえいえ、続けてください」
「あー、えっと、俺、妹がいて」
「はい」
「妹の、パートナーっていうんですかね、事実婚の旦那さんがいるんですけど」
事実婚。多様性の時代って感じ。
「その人がムキムキなんですよ。で、その人から教えてもらって鍛えてます」
「あー、なるほど」俺は頷いた。「てか妹さんいるんですね」
「はい」
「ふたりきょうだいですか」
「いえ、あと上にふたりお姉ちゃんがいて」
「4人きょうだい」
「はい」
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