テレポーテーションは実在した!? 軽四輪車ホンダ「N-VAN」

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 そんな矢先の、これである。白い敷布団と白い枕、白い掛け布団の中で口を開けてぼんやりとしているおじいちゃんを見ながら何とも言えない気持ちに小さく溜め息をついた。脳出血ということで、職員さん曰く風呂の後に体調不良を訴えて倒れたらしい。  これ以上良くならないと思う、という旨を医師から説明された。思いの外するっと受け入れた。おばあちゃんが亡くなった時から少しずつ意識していたことだ。おじいちゃんが死んでしまったら俺はいよいよひとりになるな、と。医師に言われるがまま書類にサインをした。  俺が呼びかけてもおじいちゃんはうんともすんとも言わない。聞こえているのかどうかもよくわからない。ずっと付き添ってくれていたグループホームの職員さんが「純希さんは一旦帰ってください。手続きのことは後で連絡するので」と言ってくれた。俺は先に病院を出た。
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