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「ニコラ様、あの……寝台まで濡れちゃいますから……」
「どうかしたのか?」
ミアの着ている夜着は丈が短い上に、布地が薄い、手を退けようとしてうっかり臀部に触れるとミアがびくりと身を震わす。
夜着が湿り気を帯びていた。
「はやく放していただかないと、本当に寝台まで染みてしまいます……」
ミアが顔を赤らめて、懇願する。
ニコラは器用で勤勉な男だ。男女でなす事についても心得がある。おそらく、騎士として必要とされる以上に。
いずれ仕える姫のために女性の体も熱心に学んだものだ。もちろん実践も積んだ。
ミアの、のっぴきならない事情とやらはすぐに見当がついた。
ニコラの欲望に当てられて、可愛そうなほどに夜着を濡らしてしまっている。
「ああ、そうか。心配はない、これは私が悪いのだ。私が夜伽を頼んだのだし、ミアの粗相ではない。しかし……」
(ミアが困って泣きそうだ。苦しんでいる……)
それはニコラにとって大義名分も倫理も吹き飛ばし、正常な判断を欠くに値する問題だった。
ミアが自分に触れる事をあれほど拒んだというのに、ニコラは苦しむミアを介抱するのになんの遠慮もなかった。
極々自然に夜着の間に手を伸ばし、中の様子を探る。
「あっ……だめ……」
ニコラは、良い声が聞けたなと、覚醒しきれてない思考を曇らせながら、さらに手を進める。
下着の内側から溢れた液体に指が滑り、中心部に向けてぬるりと沈み込む。
(……濡れている。こんなに……ぐちゃぐちゃだ……)
「やめてください、ニコラ様の手が汚れてしまいます……」
ミアは慌てて、いやいやと首を振る。
痛みだけが人を苦しめるのではない。拘束されたまま濡れてしまうほどの疼きを、一晩中、一人で耐えていたミアが哀れで可愛くて仕方なかった。
「こんなに濡れては、さぞ苦しかっただろう……」
労わるように肩口に額を寄せ、もう一度ミアを近くに引き寄せて、ニコラは一切の躊躇なく秘部を慰め始める。
「……うっ、あっ、え?? ちょっ、ニコラ様?!」
この半年間の煮え切らない様子とは違い、ニコラの動きには一切の迷いがない。
ミアが反応するところなど分かっているとばかりに的確に快感を暴いていく。
「ほら、力をぬくんだ。今、楽にしてやろう」
ニコラは、何でもできる男だった。
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