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「サヤ姉さん、ちょっと聞いてもらって良いですか!」
「どしたん、どしたん、何かあったんか?」
バイト先の居酒屋の女将さん、サヤ姉さんにこの前のデートの話を聞いてもらった。
「ええなあ、はるちゃん、青春してるなあ」関西弁で姉さんはいう。
「よくないですよ。とっても、モヤモヤして、夜中にずっと考えて寝れないです」ここ最近、コウタくんが気になって寝れない。
「それやん、それが恋ってやつやん。私もそんなんしたい!キュンキュンしたい!」姉さんは、お疲れビールに口をつける。
「どうなんですか、コウタくん、私のことどう思ってるんですか?」
「そんなん、私にわかれへんって。人それぞれ性癖があるから、ははっ」
「もう、私真面目に悩んでるんです!性癖とか言わないでください」
「じゃあ、真面目に答えるけど、はるちゃん、きつい答えになるかもしれんで、それにあくまで私の予想やし、間違ってるかもしれへんし」
「あっ、はい…それでもいいです…」私もお疲れジンジャーエールを飲んだ。
「私の過去の経験からいうと、コウタくん、今現在本命がおるな」
「えっ…」真っ白…真っ白…真っ白…
「はるちゃんはキープ彼女もしくは、遊び相手、控え選手?」
ひ、ひ、ひ、控え選手ぅぅ…、ひどすぎる。
「いや、だから間違ってるかもしれへんし、そんなに固まらんといて」さや姉さんが硬直した私の手を握りしめて包んでくれた。
「だって…あんまり…」
「あんな、それでもちょっとはコウタくん、誠実やと思うで。何も言わへんからわかれへんところもあるけどな、はるちゃんのことゴリ押しで、まあ、なんやな誘ってもよかったのに。どうなん、ホテル誘われたら、ノーって言えた?」
「えっ、いや、初デートの時はやっぱり無理だから、ノーっていうつもりでしたけど…」
「けど?」
「一応新し下着買いました。可愛いやつ。上手にいいくるめられたら、行ってたかもしれないです」美容院にも行ったし。
「でも、コウタくんはそうはせんかった。できなかった事情があるのかもしれへん。ただ、親父さんの車やから、夕方ぐらいから親父さんが車使いたかっただけかもしれへんし、その辺は直接聞かんと分かれへんやん」
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