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「開幕したら、結構荒れるだろ」
「まぁな。でも、あれも愛あるダメ出しなんだよ。もし叩かれても、次の日に活躍すればすぐに掌返しするからな」
「阪神ファンって、すぐに選手起用に文句言うよな。監督代えろとか」
「え、あれってうちだけなの?」
他の三人が盛り上がっている間に、健太はいくつか他の記事にも目を通し、そのコメント欄に注目した。
多くは温かい声援だったが、ときどき「この選手はもういらない」とか「去年と全然変わってない」とか、そういうバッシングも含まれていた。
「なんていうか、選手たちも大変だな」
こう言って、健太は友人にスマホを返した。
スポーツ選手に限らず、人前に出て仕事をする人たちはいつでも、SNS上で叩かれる可能性があるんだなと思うと、現代社会に生きづらさを感じずにはいられない。
「まーな。でも、批判をバネに成長するっていうか、常に活躍し続けることなんてないからな」
「でも、打てない守れないで文句言われても、どうしようもなくないか? 選手たちだって必死にプレーしてるんだろうし」
「使ってる監督が悪いって開き直れればいいんだろうな」
「素人の意見なんて無視すればいいだけだろ」
友人たちはさほど気にしていないというか、ネット上の批判はある程度しかたないと思っているようだった。
健太もそういうものだろうと受け入れられなくもないのだが、どうしたってすっきりしない。
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