第1話 武者修行

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 シャワーを浴びている間だけは、嫌なことを考えずに済んだ。  熱いお湯が頭から足先を経て外に流れていくように、今日の疲れも洗い流せればいいと思った。  髪や顔などを洗い終えて、浴室から出る。疲労感は抜けてきたが、心のもやもやは残っていた。  お気に入りのパジャマに身を包み、心の中で自分自身にお疲れさまと声をかける。 「何があったっけ……」  食欲はあまりないけれど、何も食べないわけにはいかない。  舞は台所に立って、家にある食材を確認する。  レンジで簡単に調理できるパスタを発見し、それを食べることに。  一人暮らしをするようになって、レトルト食品を食べる回数が多くなった。  料理は好きなはずだけど、家で自分のためにする料理はなかなか気が進まない。  レンジのスタートボタンを押して、中をぼんやりと眺める。  自然と今日のミスが思い出されるが、これはもうしかたない。
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