11人が本棚に入れています
本棚に追加
母を失ったことがどう影響するのか心配した父だったが、母が亡くなってからの最初の大会で牛頭選手は優勝を果たした。
心配は杞憂だったかと安心したのもつかの間、それ以後は徐々にプレーに精彩を欠く場面が見られるようになり、成績も目に見えて下降していった。
天国にいる母と約束したオリンピックで金メダルという目標も、気づけば夢のまた夢のようになっていた。
牛頭選手が大学二年生のときに開かれた前回のオリンピックでは、彼は日本代表に入ることもできず、このときに卓球はもうやめると本人が漏らしていたことを父は明かす。
そんな彼がどうして立ち直ることができたのか。
このコーナーのクライマックスとして紹介されたものは、母が遺した手紙だった。
いつか息子が壁にぶつかって、卓球をやめたいと言いだしたときに渡してくれと、父はその手紙を託されていたらしい。
手紙の内容を知らなかった父は、数年間大事にしまっておいた手紙を本人に手渡した。
ここでまた画面が切り替わり、今の牛頭選手がその手紙を読み上げるという演出につながった。
その内容は感動的なもので、牛頭選手をもう一度奮い立たせてくれるのには十分だったようだ。
最初のコメントを投稿しよう!