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つくしの思い出
「いつか、さっちゃんが困ることがあったら、今度は僕が助けるから。必ず助けに行くから」
あの時、彼はそう言った。
私がまだ幼かったころのことだ。
詳しいことは覚えていない。
私が思い出せるのは、彼を「まーくん」と呼んでいたことと、彼がつくしを欲しがっていたことだけだ。
何故、彼がつくしを欲しがっていたのかはわからないが、必死につくしを探す彼のために、私も一緒になってつくしを探した。
そして、夕方になって、私が摘み取った分のつくしを彼に差し出した時、彼はそれを受け取り、あの言葉を言ったのだ。
「いつかさっちゃんが困ることがあったら、今度は僕が助けるから。必ず助けに行くから」と。
それは、遠い昔の淡い思い出。
幼い2人が小さな小指で結んだ、忘れられない、つくしの約束。
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