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彼女は魔女だと疑いがかかる。
しかし、神の声を聞いたという発言を否定することはなかった。
どんなに屈辱を与えられ、苦しい拷問を受けようとも、神を信じ続けた。
そして、最後は火あぶりの刑にかけられ命を落とす。
ジャンヌは死ぬまで自分の主張は曲げることがなかった。
壮絶な死を迎え、転生し、尚また戦いの地へと舞い戻った彼女。
今、心を支配しているのは正義への執念。
本間忠史。
藤森和葉。
この二人を野放しにしてはいけない。
悪しき人間はこの手で…。
そのためには勝ち残る必要がある。
(ここにいる奴らは全員悪だ。私は私の正義のために戦わなくてはいけない。それが宿命。)
咲は元々は黄色リング、すなわち有益使用者であった。
そのスキルは世のため人のために使用されていたのだ。
ただ。
彼女は恐ろしく潔癖だった。
異常なまでに正義を求め、そのやり方は徐々に激しく、過激になっていく。
悪に対しての執拗なまでの暴行。
咲は絶対に逃さない。
彼女の手によって死の淵まで追い詰められた人間は、ほとんどが口の聞けない状態となっている。
重症をおうか、精神の錯乱を引き起こすか。
良くて体の一部を失うくらいだろう。
(この計画を壊す。まずはここに放たれた犯罪者どもを制圧する。私の行動は正しいですよね?神様…。)
咲に神の声は聞こえない。
森にじっと潜み、神経を張り詰める。
その鋭い眼差しの先で何かが動いた。
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