〈序幕〉

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これにより各地で教団絡みによる、詐欺・拉致監禁・テロ行為・集団自殺・挙げ句に殺人事件が相次いだ。 その被害総数、数百万人以上。 大蔵は逮捕後、死刑となっている。 が。その後もあらゆる場所で似たような事件が勃発し、日本中を震撼させた。 そうした先に判明した『前世記憶保持者』という存在。 皮肉にも、あの時のリンカーンが絶命し、新たなリンカーンが産まれたことにより解明された形となる。 前世記憶保持者は転生し、同じスキルを受け継いだ者が産まれてくるのだった。 以降、リンカーンは代々この収容所の総管理官(そうかんりかん)に任命されている。 まるで負の精算かのように…。 そして、生まれながらにして未来が決まっている者がもう一人。 最初にこの法律を作り、収容所を作り、管理官補佐という役職に代々任命される歴史を作った者。 リンカーンとは相対するように、そのスキルを善事に使用した者。 初代、管理官補佐(かんりかんほさ)柿崎龍太(かきざきりゅうた) 前世…『ヒトラー』 コードネーム…『カリスマ暴君(ぼうくん)』 前世スキル…『絶対服従(ぜったいふくじゅう)』 能力…触れた能力者のスキルを消すことができる。再び触れると返すことも可能である。 このスキルを持ってして、あらゆる前世スキル犯罪者を摘発した。 前世記憶保持者はどんなに偉人であっても。どんなに凶人であっても。 必ずしも悪人、善人とは限らない。 悪に染まることもあれば、善を行うこともあるのだ。 リンカーンとヒトラーは、収容所設立以降、タッグを組み頂上にあり続ける。 二人のスキルは、他の強力な能力者たちを管理するには最適。 まさに、脱走不可の強靭な要塞を作り出すことができる。 そして、今。 特別会議にて現総管理官、管理官補佐の口から公表された一大計画。 ーパラダイスー その全容が明らかとなる。
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