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〈幕間〉
(気違いどもが…。)
和葉はモニターを見つめながら思う。
心の底から不快であった。
「ようやく、残り五人といったところか。」
忠史が呟く。
その隣には、軍事管理長官の姿。
「誰が君のところに来ると思う?」
男は黙る。
「では質問を変えよう。誰が来て欲しい?」
男は静かに頭を振る。
「失礼。少し意地悪な質問だったな。まぁ見ていればわかることだな。」
それにしても。
彼らの異常さには、いささか驚かされた。
まさか、ここまでだとは。
こんな奴らが今まで野放しにされていたのかと思うと、上層部の人間が怯えるのも無理はないだろう。
和葉の気持ちも、わからなくはない。が。
「藤森。そう嫌な顔をするな。君にだって執着するものがあるだろう?前世記憶保持者とは、得てしてそういう者たちなんだ。」
そう。
自分たちは、ただ一つの事に強い拘りを持っているだけ。
その道が、その使い方が、善か悪かに分かれているだけなのだ。
(変わらない。結局、我々はいつだって紙一重なんだ。)
忠史はそう締めくくると、再びモニターへと目を向けた。
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