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「そこで、我々より一つの提案があります。それがこの『パラダイス』計画。すなわち、日本での前世スキル保有者による特殊部隊の新設です。」
ほぅ。と息が漏れる音。
一人が吠える。
「他国の猿真似をするのか。この国ではせっかくスキルによる犯罪が管理されているというのに、また荒れるのが関の山だ。」
「では。このまま侵略される時を甘んじて受け入れると?」
和葉の鋭い眼光に思わず圧倒される要人たち。
「ご心配なく、犯罪者たちの管理は引き続きしっかりと徹底していきますので。
今回はその部隊新設の為の、言わば実験案です。
『パラダイス』は現在収容されている犯罪者たちから選出した者たちで特殊部隊を編成する計画です。」
ざわつく会議室。
国民が黙っているだろうか。
いや、それよりもメディアが。
そもそも、人権はどうなる。
「…何も、犯罪者で編成せずとも国が独自の部隊を作るだろう。」
誰かがボソリと漏らした言葉を拾い、和葉は答える。
「それは国が設立することですので、この収容所とは関係がありません。私たちが提示しているのは『特殊部隊』です。それは、いわゆる特攻部隊。命を奪うことも自分の死すらも恐れない、代えの効く人員で構成された部隊です。」
その声は冷たく、要人たちを黙らせる。
忠史はその様子を静かに眺めていた。
(やれやれ。うるさい奴らだ。貴様らが考えている不安材料に我々が対策を取ってないわけが無いだろう。)
和葉に先を促す。
「少し話は逸れますが。ここで今一度、改めてスキルについてお話しさせていただきます。スクリーンにご注目ください。」
和葉が画面を切り替えると、そこにはスキルの分類表が映し出される。
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