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そう言うと、伸矢の額に何かが飛んできた。
反射的に躱す。
それは、小石だった。
強化された肉体から弾き飛ばされたそれは、まるで弾丸。
「古い戦い方に拘り続け。規則やら何やらとガッチガチに凝り固まった思考のお固さよ。それがてめぇらが勝ち残れなかった理由だ。俺が肉弾戦だけしか脳がねぇとでも思っていたか?」
伸矢はフッと笑う。
「確かにな。」
すると茨がみるみる銃を形成する。
棘を弾丸にして発射。
それは確実に保の目を撃ち抜いた。
「古いやり方に拘っていた。には同感だ。俺は新しいもんが案外好きなんだよ。刀だけだとでも思っていたか?」
溢れ出す血を垂れ流し、保は笑った。
「初めて気が合ったな!」
再び小石を弾くと、それを揺動に伸矢の懐に入り込む。
みぞおちに一発。更に一発。
が…。その瞬間。
保のスキルは消えた。
「くっそ。時間切れかよ。」
伸矢はこの時を待っていた。
よろめく体を何とか支え、力を入れ直す。
全神経を刀だけに集中させると、全身を覆っていた茨が刀へと移動していく。
固く鋭い棘で覆ったその刀の刃先が狙うのは、保の首。
それを振りかぶると思いっきり横に一閃。
「あぁ…また…てっぺんに…とどかな…かっ…」
吹き出す血を己で浴びながら、保はゆっくりと血の海に沈んだ。
「肉体強化には解除条件がある。あんたは媒介を持ってなかった。ってことは時間だと思ったんだよ。戦は頭だって言ったろ?」
そう囁くと、伸矢はその場に倒れた。
勝者…久保伸矢
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