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・直接型
自分の肉体を強化し、自分の体そのものを使う。
制限時間や一定の条件を満たすと発動するタイプが多い。
・召喚型
何かを召喚して、そのものを使う。
媒介になる道具、召喚されたものの消失時間が定められていることが多い。
・操作型
相手の精神を通して、何かしらの効果を与える
効果範囲、発動条件に縛りがあるものが多い。
「大まかに分けるとこのようになります。私や本間は『操作型』に当たります。
人によっては何かしらの媒介が必要であったり、時間や範囲等の情報で無効化することも可能です。よってスキル保有者は無敵。というわけではありません。」
こと、ここの収容所に送られてくる犯罪者たちは発動条件をことごとく対策されている。
必要な道具の没収、対人させない為の独房、牢自体にも特殊な装置を施してあり、そもそものスキルを抑え込んである。
忠史と和葉はそれぞれのスキルを使い、更に厳重な予防を行う。
そのための『リンカーン』と『ヒトラー』なのだ。
収容されてきた犯罪者たちにヒトラーのスキルで力の封鎖をした後、リンカーンのスキルで『脱獄=死』の洗脳を施す。
そのため、犯罪者たちは脱獄が不可能となる。
もちろん。
そこまでやっても侮れないのがスキル保有者なのだが。
要人の一人が納得顔で尋ねる。
「例えば、本間君のスキルは君の演説を物理的に聞かなければ無効。ということかな?」
忠史はその要人を一瞥する。
「そうですね。鼓膜を破り、目を潰せば…。無効化できるでしょうね。何せ私の声はよく通るようにできている。
民衆を前に何かを訴える時、言葉だけではなく発せられる熱意も『演説』のひとつです。それを耳で感じるか、目で感じるか。
はたまた、全身の皮膚でも削ぎ取りますか?」
ひっ…。
質問を投げかけた男の小さな悲鳴。
慌てて目を逸らす。
犯罪者たちは牢獄で死ねば、新たな前世記憶保持者が転生されるだけである。
要は、悪人は死んで更生。といった理論。
そして現在の日本では、この形が最も安定している。
『パラダイス』はそれを壊す。
よって、国の要人たちは警戒しているのだ。
和葉は咳払いをすると、再び話し始めた。
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