単位ほしい...?

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「あれ、俺......、う、っわ、すいません、なんか、急に安心したら、涙が出てきて。情けねえ、」 「大丈夫ですよ。ゆっくり落ち着いてくださいね」  とウェイトレスが言った。俺はその後しばらく泣き続けた。今まで、こんなに泣いたことなかったかもしれないくらいに。本当に死ぬかと思った。そんな時、ここの店の人たちに助けてもらった。すごく失礼な態度を取った俺をだ。俺は常世喫茶「冥」の店長とウェイトレスに向き直ると、 「先ほどは、すみませんでした。失礼な事や態度をとっていたのに、そんな俺を助けてくれて。本当にありがとうございます」  ウェイトレスがあらっと手を口に当てて、驚いた様子を見せる。店長は、ポンと俺の肩に手を置いてこう言った。 「ちゃんと謝罪してくれて、そしてお礼を言ってくれて、ありがとう。”もう自分がちゃんと分かっていないものに頼ろうとしちゃいけないよ”...大丈夫、君は充分頑張ったし残りの期間も頑張れる、そうだろう? 佐藤君」  と店長が優しく言った。あれ、俺この人たちの前で名乗ったかな。やっぱりこの人たちは、人ならざる者なのだろうか。  でも、とてもあたたかい感じがして、安心できる雰囲気を持っている。俺は安心すると、急に強い睡魔が襲ってきた。 「すみません、なんだか急に睡魔が......」  なんとか、そう伝えるが俺は意識が朦朧としている。正直目を開けているのも辛いくらいだ。 「大丈夫、佐藤君はもう帰る頃合いだからね。ゆっくり休みなさい」  店長は俺の背をポンポンと優しく叩く。 「お客様、今度常世喫茶「冥」に来るときは、正式な手順で来てくださいね。そのときは最高のおもてなしをいたしますので!」  ウェイトレスの嬉しそうな声を聞いた後、俺は意識を失った。
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