単位ほしい...？

　チリンッ、チリンッ

　常世喫茶「冥」のドアを開けると、ウェイトレスの彼女が笑顔で出迎えてくれた。

「あ、マスター！お帰りなさい！あれ、マスターなんか疲れてます？」

　とおっとりしたウェイトレスの彼女が私の疲れた様子に気付いたようだ。

「いや、困った友人がいてね。その人に謝らなきゃいけないことがあったから謝罪に行ったんだけど、その場所がすごく気疲れする場所で少し疲れたんだ」

　ウェイトレスは疑問符を頭に浮かべている。それでも疲れた私の様子を見て元気づけようと思ったのか、

「じゃあ、私の特訓の成果を発揮しましょう！マスターの技をこっそり見て覚えたんですよ。じゃじゃーん、常世喫茶「冥」特製のカフェラテです！」

　と温かそうなカフェラテを私の前に持ってくる。どうやらこそこそキッチンで何かやっていたのは、ひそかに練習をしていたからのようだ。私はふふっと笑って、

「じゃあ、君の特訓の成果を味わってみようかな？」

　今日も常世喫茶「冥」は、穏やかな時間が流れていた。