元々は猫が好きだった(怖い話)

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私は元々猫が好きでした。猫の見た目も、「ニャー」という鳴き声も、くりくりもお目目も好きでした。でも1番好きだったのが猫のふさふさの毛です。撫でた時のあの心地よさ。なんと滑らかで、なんと柔らかいことでしょう。私はとにかく猫が大好きでした。 大学にあがる頃です。次第に気持ちが変わっていきました。 犬も可愛いなと思えてきました。犬の中でもふさふさの毛を持つ大型犬などが特にお気に入りです。また犬は人懐っこいです。 ふと疑問が浮かびました。猫より犬の方が可愛いのでは? 私は猫にしろ犬にしろ、彼らの毛を愛していました。どちらが可愛いか?毛が心地良ければ順位なんてつけられません。 それから気づいたのはすぐでした。 毛布は最高だ。毛を顔全体で味わえる幸せ。 今まで気づいていながら、別物扱いをしていた毛布。毛布は生きていません。ですが、その心地よさが大好きです。 大人になった私は頭も良くなっています。 私はまるで毛布が生きているかのように認識の次元を変えました。 私次第なんだと。何を好んで、何を拒絶するかは。自分の都合のいいように脳を欺けばいいだけだったのです。頭が良くなった私。全ての無機物が感情を持って私に懐く世界。 なんてユートピアなのでしょう!みんな懐いてくれる。あまり人に懐かない猫さんも、涎を垂らす犬さんも、その欠点をなくして。 [○○県○○市のアパートに住む○○(20歳)が動物虐殺の容疑で逮捕。同アパートにおいて、住民が異臭がすると警察に通報。警察が駆けつけ異臭元の○○容疑者の部屋を開けなかに入ると、犬、猫の死体が数体発見された。 また○○容疑者は死体は生きていると意味不明な供述をしている]
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