第四章 島根県出雲市

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   着物ごと全身がずるむけになり、視界が赤く染まる。  おそらくは致命傷に近い。  しかしこれだけのダメージを打ち返せば、あの巨大な怪物にも太刀打ちできるかもしれない。 「……永久流・呪詛返し!」  痛みと鉄の味に染まる口を無理やりに動かして、天満が叫ぶ。  途端、彼の全身が青い光を放ち、それは怪物の体をも飲み込んで爆発を起こした。  激しい土煙が、その場一帯に吹き荒れる。 「やったか!?」  瞬時に体を回復させた天満はその場に立ち上がり、期待を込めた目で煙の先を見た。  だが、 「まだだな」  そう答えたのは時治だった。  彼の言った通り、土煙の晴れたその場所には、変わらず巨大な黒い怪物が立っていた。わずかにダメージを受けているようにも見えるが、おそらく致命傷には程遠い。  
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