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「お待たせしました。前言撤回です。やっぱりまだ日本には帰らなくて結構です。本日はそちらに留まってください。丁度良い案件が発生しましたので」
ほら来た、と男は顔を歪めた。
こうなっては逃げるわけにもいかない。
「また面倒事に巻き込まれるのか。つくづく、この家の血筋に生まれたことを呪うよ。ていうか、さすがに海外なら大丈夫だと思ったのに……」
「たとえ南半球まで行こうと、運命からは逃れられないんですよ。観念して行ってきてください。今回問題になっている人物の写真と、簡単なプロフィールは後で送りますから」
先刻までとは打って変わり上機嫌になった璃子は、通話の最後に優しげな声で激励を送る。
「名探偵の出番です。永久家の未来のためにも、しっかりと呪いを返してきてくださいね。天満さま」
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