SWITCH

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 ────数ヶ月前。 「こんなモノを作って、何になるんだ?」 「コイツで何をするつもりだ?」 「もしかすると精神疾患かもしれない。病院に行った方がいいんじゃない?」 「もう一人の自分?それってイマジナリーフレンドってヤツでしょ?それを形にするとか、アタマ、イカレてる?」  うるさい、うるさい、うるさい、うるさい……!!  これは私が作った、私が望んだもの!  誰かにどうこう言われる筋合いなんてない!  こんな言葉を浴びせられて、もし『もう一人の私』に聞こえたら、学習のノイズになってしまう。  私は足早に部屋に戻り、鏡に向かって問いかけた。 「『シラユキ』。『シラユキ』。私は間違ってないよね?あなたを生み出して、正解だったよね?!」  ボヤ……と鏡が歪み、少しだけ表情の違う『私』が浮かぶ。 〈不正解なわけないでしょ。──は正しい。正しいよ〉 「うん。うん!私は正しい。私は正しい。私は正しい………………」  いつも部屋に戻ると、このやりとりをする。もうすでに1人前になった『シラユキ』がこの毎日の問いかけにどう思っているのかはわからないけど、付き合ってくれてるのならそれでいいんだ。  そして、いつしか私の言葉は変わっていく。 「私は大丈夫私は大丈夫私は大丈夫私は大丈夫────」  何と言われようと、私は間違ってない。私は正しいことをした。私の技術を再現できないからそんなことを言ってるだけなんだ。私はいつだって正しい。私は大丈夫。私は大丈夫。……………………『シラユキ』を………………護らなきゃ。  そのためには別のところに連れて行かなきゃ──  ────どこへ?     ◇◇【メールを受信しました。】◇◇  しばらくしてベッドの上で三角座りしていると、開けっ放し、放電しっ放しのPCから電子音がした。
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