仮面

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徐々に打ち解けて,新たな友達を作っていく。僕も親しい友達を作ることができた。 「お前,」 笑いながらBが言う。 褒めているのか皮肉を言われているのかわからなかったが,僕は思ったとおりに解釈してくれた友にひとまず安堵した。そして見下した。 馬鹿が。 同じ小学校の生徒には,僕は,いびつに映ったと思う。 彼,彼女らに対してのみ綻びを見せるかわりに,僕は,彼,彼女らとの会話は必要最低限にし,関わりをほほ断ち切った。 僕は別の仮面を被っていた。その仮面を今度は100%で演じていた。 だったらなんて言う? だったら何をする? 自分を何度も何度も騙し、欺き、僕はもうほんとの自分が見えなくなっていた。 ぐちゃぐちゃと混ざる感情のせいで何度も吐き気を催す。
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