旭のお話

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次の日の放課後、一輝に用事があるから先に帰っててと言われ一人で家に向かって歩いている時にハッとなった。 あぁヤバい…。 テスト対策のノートを机の中に置きっぱなしだったことをすっかり忘れてた。 今から取りに戻るのはめんどくせぇ…。 でも、忘れた俺が悪いか。 ため息をついて、仕方なく教室まで戻ることにした。 誰もいないと思っていたのに、教室の前に人影が見えてた。 教室の中を覗いているようで、近づくとそれが立花だと気づいた。 教室の前でじっと深刻そうな顔をして何かを見ている。 あいつ何見てんだ…? 何を見てるのかと気になって近づいていったが立花は俺にまったく気づいてない。 立花の視線を追うとそこには一輝が他のクラスの女子に抱きつかれているのが見えた。 女子の頭を撫でている一輝の姿を見て、俺はその場に居合わせたことを後悔した。 何だよこれ、タイミング悪ぃな……。 今の状況を立花も見られたくないだろうし、俺も見たくはない。 気づかれる前に離れようとそっと後ずさると、不意に立花と目が合った。
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