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今までも、一輝と立花が何回か話す所を目にはしてたけど用事がある時だけだったはずだ…。
あの日以来、二人で話している機会が増えた。
立花の頭をぽんっと撫でたり、重い荷物をさりげなく持ってあげたり、困っている時は手助けをする姿を見てるのは俺だけじゃない。
━━━何、あれぇー。媚び売ってさぁ
━━━あの子、一輝くんと最近よく居るよねぇ
━━━なんであの子なんだろ。羨ましいー
そんな声がちらほらと聞こえてくる。
一輝に好意を寄せてる女子にとって、立花の存在は面白くないらしい。
チッ、暇な奴らだな。
一輝は、そんな悪意なんて気にも留めてないからいいだろうけど…
ふと立花は大丈夫なのかと少し気になった。
でもすぐに、俺が気にすることでもないかと思い直した。
そもそも、あいつが困ってようが俺には関係ないしな。
今も廊下にいる二人は並んで立ち話をしているようで、距離が近い。
話の内容は聞こえないが時折、笑い声が聞こえる。
一輝の顔を見てふわっと嬉しそうに微笑む立花は恋する乙女って言葉がぴったりだった。
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