優芽のお話

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大場くんと話している時は女子からの視線が怖い。 何かされる訳では無いが、視線が突き刺さるようで居心地が悪くて早く立ち去りたいと思ってしまう。 やっぱり私は地味で冴えないから仕方ないのかな…。 それに、佐竹くんとも目が合うことがあるし、その度に睨まれてるような気がして怖いけど私の気のせいなのかな? いつも、ムスッとしてるし、大場くん以外とは話さないし、何を考えているか分からない人だから、ちょっと苦手だな。 ━━キーンコーンカーンコーン 終業のチャイムが鳴り、先生が出ていくと教室中が一斉に騒がしくなった。 テスト前だし、今日はこのまま真っ直ぐ帰って勉強しようと帰り支度をして、下駄箱で靴を履き替えていたら前からやって来た佐竹くんと目が合った。 咄嗟に会釈をして、そのまま玄関を出ようとした時、後ろから声をかけられた。 「あれ?立花さんもう帰るの?」 すぐに大場くんの声だと分かり振り返ると、そこにはやっぱり大場くんの姿があった。 テスト勉強をするから、と言った後に大場くんから言われた言葉に驚いた。
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