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「立花さん偉いね!そういうとこちゃんとしてるって僕は好きだな!」
突然そんなことを言われ、恥ずかしくて顔が熱くなったのが分かった。
褒められたことも嬉しかったけどそれよりも、好きという言葉に反応して鼓動が激しく脈打つ。
……好き……?今、好きって言った……?
まさか、期待するな……!! 自分に言い聞かせるように頭の中で唱える。
勘違いしたらダメだと思っても、つい喜んでしまう自分を抑えられない。
どうしよう、今、絶対顔赤いと思う…。
慌てて下を向いたまま、早口でお礼だけ言って逃げるようにその場を後にした。
校門を出てしばらく歩いたところで立ち止まり、息を整える。
心臓に悪いよ。
嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り混じって自分でもよく分からない。
好き…って、ど、どういう意味だろう……。
深い意味はないのかもしれない。
でも、淡い期待を抱いてしまって、もしかしたら……という気持ちを捨てきれない自分に気づく。
告白の二文字が脳裏に浮かんでは消えるを繰り返す。
まだ、もう少しこのまま…、今のこの関係を壊したくないと思ってしまう自分に呆れてしまうが、それでも築き始めた今の関係を壊す勇気はない。
もうやめよう……、これ以上考えたらダメだ。
自分にそう言い聞かせて家路につくことにした。
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