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最近あまり眠れない。
大場くんの気持ちに気づいてしまってから二人を見ると複雑な気持ちになる。
それでも、大場くんに会えるとかもと思うたびに私は図書室へ通うのをやめられなかった。
本当はやめた方がいいのかもしれない。
だけど、自分の気持ちに気づく前の日常に戻りたいとは思えなかった。
今のままでもいいから、少しでも見ていたいと思ってしまっている自分がいることが嫌になる。
図書室に行くと、決まって奥の窓際の席に座る大場くんを見つける。
いつもと同じように私は小説を開いて、本の世界に入り込もうとするが、全然文字が頭に入らない。
あの日、知ってしまった大場くんの気持ちをどう消化したらいいのか分からず、あれからずっと頭の中はそのことでいっぱいだし、モヤモヤしたまま何も手につかない。
いっその事、聞いてみようかとも思ったけど聞けるわけがなかった。
聞いたところで、どうなるわけでもないし、話してくれるかも分からない。
ただ、もしかしたら勘違いかもしれないと自分の中の淡い期待を打ち砕かれるような気がしたから。
自分でもどうしたら良いのか分からなくなり頭を抱えていると、不意に声をかけられた。
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