カフェ・アンプデモア

★二人の夜

驚きはしなかった。
翔優なら、来るだろう。

翔優は藤波を後ろから抱き、首を甘噛みをした。

乳首をなでられ、固くなった乳首からキュッと快感が走った。
酒を多めに呑んだせいか、体の反応がいつもより早い。

藤波は、酔いでよろけがちな体を押されて、ベッドに座らされると、さらに上体を押し倒された。

キスをすると、翔優の口から酒臭さがただよう。
いつものような、ただ舐め回すだけのキスではなかった。

翔優は、唇で唇をはんで、相手の反応を感じようとしていた。
莉音と那央の雰囲気から、学習したのだろう。
今までになく、藤波の口内は腫れぼったくなり、唾液で潤っていた。
翔優の肉厚な唇の柔らかさが、快感に変わっていく。

さすられた下半身も徐々に昂ってくる。
舌を入れられたのと同調して、思わず藤波の腰が反った。

「あっ……」

滅多に出ない声が出た。
今までは機械的なボディタッチに過ぎなかった翔優の触り方が、微妙に変わっている。

翔優は藤波の顔を見つめて、お尻の方に手を持って行った。

「翔優、そっちは……」

翔優はやめる様子はない。

「ばか……やめろ」

翔優の腕を押さえた。

翔優は一旦やめて、藤波をちゃんとベッドに寝かせると、足を開かせて藤波のをしごきながらしゃぶり始めた。

「あっ……はぁ……」

いつもより感じてしまい、腰が反る。
自分の小説に書いているような喘ぎ声が出てしまう。

藤波のはもうパンパンになり、先から漏れ出し始めている。
翔優はまた尻を攻めはじめた。

「あ、う……っ」

指が入って行くのがわかる。
翔優が意地悪く指を出し入れして、藤波が恥ずかしい格好であると強調する。

一旦指を抜くと、翔優は自分の服を脱いだ。
外で働き始めて、翔優の体は締まってきた。
腕や腹筋の筋肉が美しい窪みを作っている。

翔優は、一度膝を閉じた藤波の足に手をかけた。

「翔優……きっと、期待してるほど気持ち良くなんてないよ。最後までしたら、後戻りできなくなる。この辺でやめておけ……。その顔でその体つきなら、女の子なんていくらでも抱けるさ」

「後戻りなんて、するつもりは全くありませんから……」

翔優は藤波の足を開かせ、躊躇いなく自分のものを入れていった。

「んあっ……！」

痛みと、翔優のものが入っていく不思議さに身が悶える。
翔優が腰を動かし始める。

「あっ！はぁっ！ぁっ！」

喘ぎ声が自然と出た。
自分の声とは思えない高い声で、翔優も興奮してきているのがわかる。
翔優も容赦なく腰を動かす。

「んっ！あっ！あっ！」

何度も刺激されて、ついに藤波は翔優にイカされるという経験をした。
翔優は、藤波から溢れ出したのを見て、自分のを抜くと、藤波のを舐め始めた。

「もう……いいよ……。あとは自分で片付けるから……」

上体を起こして自分のを引き取る。
淫らな声を出してしまったし、ついに翔優と最後までしてしまった。
もう翔優には全部見せたな……
そんなことを考えていると、急に腕を取られた。

そして、あっという間に後手に浴衣の帯で手をしばられた。

翔優は、後ろから抱き寄せて、藤波の口に指を入れ始めた。

「ふ……っん……っ！」

指で口内をまさぐられる。
翔優のねっとりとした呼吸が耳の裏側から聞こえる。
僕の雄弁な口が塞がれるのは気味がいいのかもしれない、と藤波は思った。
指が出し入れされ、唾液のぬめりで舌と唇が指に吸い付く。

翔優は藤波を抱き起こすと、自分のものを藤波の口にあてがった。
徐々に翔優のものが口に入っていく。
サービスをするつもりはないが、溢れる唾液のせいで舌が自然に動く。
口内いっぱいに翔優のものが入ると、彼は腰を動かし始めた。

「あ……っ、う……っ！」

翔優も喘ぎ声を出す。

まもなく、翔優から出されたもので藤波の口は濡れた。

いつの間にか帯は解けていたので口を拭う。

翔優が藤波を強く抱きしめた。

そして、泣いた。

なんの涙かはわからない。

嬉しさなのか、罪悪感なのか、はたまた幼少期のトラウマか。

藤波は、もうそれについて暴こうとは思わなかった。

泣きじゃくる翔優を抱きしめた。