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「ラルフ様、これだけは誓ってください。
モンタギュー家がラルフ様に接触したことは誰にも話さないと」
「どうして?」
「これも万が一のためです。あなた様が万が一にも危険に晒されてはならないためです。何か良からぬことを考えるものがあなた様を辿って私たちに辿り着くケースや、その逆のケースを断ち切るためです」
いいですね、とカルロスは念を押した。
「ところでラルフ様、あなた様に知り合いの天使はいらっしゃいますか?」
「うん」
「何体いらっしゃいますか?」
何体?どうしてそんなこと聞くの?
2体さ。イヴとキャシーの2体さ。僕の友達だ。
カルロスは何気なくラルフに質問してきたが、どこかしら緊張した雰囲気を纏っているように思われた。彼は隠しているつもりでも、彼の目の奥、仕草、オーラが少し前までとは違った。違った何かが滲み出ていた。
ラルフは唐突に聞かれた質問に、何か嫌な予感がし、「答えたくない」と言った。
それは半ば博打だった。
カルロスはしばし沈黙し、やがて言った。
「2体以上ですか?」
「…言わない」
カルロスは再びラルフに衝撃を与えた。
「…。もしそうなら、あなた様は危険に晒されている」
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