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「…。わからない。僕にもわからない」
「わからないって?君それは本当かい?
どうして貴族と君が繋がっているんだ?君、本当は何か隠してやいないか?」
「僕だって知りたいさ!…すまないが本当に何も知らないんだ」
「そうか…。いや、僕の方こそ疑ってしまってすまない。…そうだ、君が会った貴族って誰なのさ?」
「言えない…」
「言えない?」
「…ああ」
ナイトハイトはラルフの言葉に失望した。ラルフ、君は僕の友達じゃないのか?どうして隠し事をするんだ?僕が信用できないのか?
失望の最中、
「君も僕たち同様に何も知らなかったんだろう?そしてたった数刻前に君はその貴族の名前を知った」とナイトハイトは言った。
「君は唯一知った秘密を友達に隠すんだね…。どうやら僕は君に信用されていない、ただの他人だったんだね」
「ナイトハイト!」
エミリアがナイトハイトを睨みつけた。
「撤回しなさい、今の発言を。そして大人になりなさい。そしてよく考えなさい。
ラルフがこの学校でなんとかやっていけているのはどうして?
それはあなたがいつも彼と一緒にいるからでしょう?そしてあなたが他の貴族の目も気にせずラルフに親しく話しかけているからでしょう?
きっと何か訳があるのよ…」
エミリアは今度はラルフを睨んで言った。
「ラルフ、あなたも何か言いなさいよ」
ラルフは少し笑って
「ああ、ここのお嬢が僕の言いたいことを全て言ってしまったよ、ナイツ。君はまごうことなく僕の友達さ」と言った。
ラルフの言葉を聞いて、ナイトハイトは俯いた。彼は少し照れていた。
「そして、その貴族の名前を明かせないのは…、僕も正直よくわかっていない。ただ秘密にしておくように言われたんだ。
それは僕に危険が及ばないようにするためだと…。
そして、僕はきっとそれらのことは君たちにも危険が及びうるものだと思った。だから余計に言えない」
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