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「岬さん、ありがとう」春は岬を真っ直ぐに見据えたまま答え、一呼吸おいてからゆっくり話し始めた。
「御堂は確かに安全とは言えないけど、俺にはあそこが必要なんだ。あそこにいると楽しいし、いつも笑ってる気がする。
それに楽に息を吐けるんだ。あそこに行くまでは、必死に呼吸をしてるみたいでいつも苦しくて。だから俺には御堂が必要なんだ。
それに、竜之さんが居るから。だから俺はあそこからは離れない」
「.......そっか。春には御堂が太陽なんだね」
「うん。」
「分かった。春が幸せならそれでいいよ。
でも、いつでも空けとくから逃げたくなったらおいでね」
岬はいつもの優しい眼差しで春を見つめ微笑んだ。春も岬に笑顔を向ける。自分は幸せだよ。と彼に示す様に。
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