捨てる神あれば拾う神あり【番外編】

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「若、今回の件もしかしたら大吾が絡んでるかもしれません」 「何?アイツは表に出てこれねぇはずだろ」 「それが、預けていた傘下の若い奴が金で買われたらしく逃げる手助けしたらしいです。そこの若頭が責任とって指詰めるとか何とか騒いでるらしいですわ」 「今時、指なんか貰っても意味ねぇな。ノルマを今の3倍でやり遂げろと伝えておけ」 「分かりました。で、大吾はどうします?」 大和大吾。 春を拉致して以来、御堂の傘下の組に預けて監禁していたのだがまだ息の根があったようだ。 遠縁とは言え身内である大吾にかなり譲歩した形で助けてやったというのに。 今度は地下深くに沈めなきゃなんねぇな。 奴が仕掛けてくるなら明日の襲名式しかないだろう。どうせ自分を狙ってくるはずだ。 真正面からぶっ潰してやる。 竜之は握っていたグラスに力を込める。 ピシッと亀裂が入ったその容器をそのまま乱暴に床に叩きつけた。
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