捨てる神あれば拾う神あり【番外編】

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「それより竜之さん大丈夫?変な噂耳にしてるけど」 「噂?」 佐志は岬の片付けを手伝いながら不穏な空気を察して問いかける。 「竜之さんの襲名反対してる奴らがいるっていう」 「え?そんな奴らいるんすか?」 「まぁ、たぶん組傘下の奴らじゃないとは思うし、あくまで噂だから。でも敢えて噂流してる奴がいたら面倒だろ?」 「分かりました。竜之さんには伝えます。ありがとうございます」 佐志は頭を下げて岬に礼を言った。小さな綻びが大きな亀裂になる事もある。噂にしても竜之の耳に入れておく必要がある。岬もきっと分かっていて教えてくれたのだ。 「別に、竜之さんの為じゃないよ。春がまた危ない目に遭うのは嫌だから」 そう言うと岬は去って行った。
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