第九章 その不屈の果てに、望む人が居るのなら

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「ねねちゃん。今まで離れていた分、これからは……」 「うん、しずちゃん。これからは……ずっとずっと、みんなで一緒にいようね」 私とねねちゃんは顔を見合わせて笑い合った。 ねねちゃんとこれからどんな関係になれるのか、大切に育てていきたいものがもうひとつ増えた気分だった。 「ねえ。ねねちゃん、指切り……しよう」 私は立ち上がって、左手の小指を差し出した。 「これから先、どんなことがあっても、私たちが私たちのままでいられるように。辛くて苦しいことがあっても、一番大切なことだけは絶対に忘れないように……」 どれだけ離れていても。どれだけ時が過ぎても。 「ねねちゃんに、ずっと見届けてほしいから」 「えへへ……。じゃあ、わたしも約束するねー」 ねねちゃんも立ち上がり、私の小指に自分の小指を絡ませる。 「わたしはしずちゃんのことを見守り続けるから。助けが必要な時はすぐに駆けつけるし、それにはるくんたちのことで困った時は、一番近くから声をかけられるような――そんな親友になってみせるからー」 指と指を絡ませて、私たちは想いと誓いを交わす。 歌うように身をすり寄せては、奏でられる葉の音色。 それは、私たちだけの大事な約束だった。
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