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それから僅か10日後に片桐さんは入院することになったと担任から発表があった。思ったよりも早い展開に動揺しながらも、覚悟のようなものはできていた。
あの日、もう一つの約束をした。
「私がもし入院することになったら、絶対に病院に来ないでね。絶対、だよ。」
「なんで。」
「好きな人に弱ってくところ見てほしくないんだよ。」
「自分から死ぬって言っておいてそれはずるくない?」
「ずるくないよ。ね、お願い。」
俺は渋々その約束を受け入れた。クラスの皆は、寄せ書きと花束を送ろう、皆でお見舞いに行こう、などと着々と計画を立てていたけど、俺にはどこか他人事に思えた。その代わりに慣れない手紙を書いて毎日病院へ送った。内容は本当につまらない、どうでもいいようなことばかり。返事はなく、読んでもらってるかもわからない。それでも繋がっているような気になっていたくて。
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