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次の日になっても私は悩んでいた。
息子の俊介は、とにかく野菜が大嫌いだった。
嫌いな野菜を見ると、食べないどころか口に入れようともしない。
「ミスター食わず嫌い」
思わずそんなニックネームをつけてしまうくらいだ。
この間作った炒め物だってそうだ。
嫌いな野菜を見つけると、箸でつまみ出し、消しゴムのカスのように何処かへ追いやろうとする。
確かに、私にも嫌いな食べ物はある。
だけど「作った人の身にもなってみろ」と思わず発狂したくもなる。
「今日の夕食、何を作っていいのか分からない」
夕食を作る気になれない私は、Webサイトを開き、子供が嫌いな野菜について調べていた。
すると、あるサイトに目が止まる。
小学生が嫌いな野菜ランキング
1位 ピーマン
2位 ねぎ
3位 なす
4位 にんじん
5位 たまねぎ
これは、息子の嫌いな野菜と完全一致する。
だからと言って「どこの家庭も一緒」と喜んでいる訳ではない。
息子は、もうすぐ中学生になる。
どうにかして息子に野菜を食べさせたい。
私は検索ワードに
「ピーマン ねぎ なす にんじん たまねぎ 料理の作り方 誰でも美味しい」と入力して、別のサイトを閲覧した。
いろんな料理及びその調理方法が掲載されている。
「美味しそう」そう思えた料理の調理方法は、どれも複雑で、作る気になれなかった。
見方を変える。
調理方法だけを見て、共通点を探る。
すると、ある点に気付く。
「ひき肉と混ぜて作っている」
「野菜をミキサーにかけてペースト状にする」
この2つを利用しよう。
私はそう思い、Webサイトを閉じて、台所へと向かった。
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