屍の彼女

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 頼む、消えてくれ。  頼む、消えてくれ。  僕の前からいなくなってくれ。  どうすれば。  どうすれば。  震える心で考える。  夜明けまであとどのくらいだ。  カーテンを開け、太陽の光を浴びれば、彼女は消える。  きっと、消える。  幽霊(ゆうれい)ならば。  息を()めてそればかりを考えている。  彼女を二度も消すなんて(ひど)い男だと思いながら、願うように夜明けを待っている。
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