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彼、翔太さんとは1週間前に出会い系アプリで知り合った。翔太さんは私より9歳年上だったが、プロフィール写真の整った顔立ち優しそうな笑顔に惹かれてハートボタンを押した。すると数時間後に翔太さんからメッセージが来て、やり取りをしているうちに会うことになったのだ。
「誰かと会うの初めてなんだよね? 緊張してる?」
翔太さんから聞かれ、私は頷いた。
「そうだよね。穂波ちゃん、いま20歳だっけ?」
初めて名前を呼ばれ、思わず視線を窓へと逸らした。
「そうです」
「じゃぁ俺なんておっさんでしょ? 初めて会うのがこんなんでごめんね」
彼の言葉に慌てて首を振る。
「そんなことないです」
「そ?」
彼は笑い、近くのコンビニで車を止めた。
「穂波ちゃん、コーヒー飲める?」
翔太さんは、ミルクコーヒーを私に渡す。
「え、すみません。何円でした?」
私が聞くと、翔太さんは笑う。
「いいよ。俺が好きで買ったんだし」
「ありがとうございます。いただきます」
ミルクコーヒーは、甘さ控えめで飲みやすかった。
「穂波ちゃんは、どうしてアプリを始めようと思ったの?」
翔太さんから聞かれ、私は苦笑いする。
「多分話したら呆れますよ」
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